まちづくり計画

計画の目的と背景

まちづくり計画の目的

 南郷地区まちづくり協議会が策定する「まちづくり計画」は、私たち地域住民が主体となって、市と連携しながら行う南郷地区の、まちづくりに向けた基本的な指針となるものであり、地区のまちづくりにかかる行動計画として位置づけられるものです。本計画は、基本計画と分野別計画で構成されており、基本計画では基本となるべきまちづくりの理念とビジョンなどを設定し、分野別計画ではそれぞれの課題と日標、施策や具体的活動内容などを設定するほか、計画実現に向けて心掛けるべき事項などを示しています。

 まちづくり計画の計画期間を概ね10年間に設定するとともに、約5年後には必要に応じて見直し作業を行うこととします。また、具体的には師年策定する各年度の事業計画及び予算において実施内容などを示していくこととします。

まちづくり計画の背景

 南郷地区は掛川市のほぼ中央、JR掛川駅の南東に位置し、地区の北側は東海道線・東海道新幹線が並行して走り、南側には東名高速道路掛川ICが地区のほぼ中央にあり、かつては水田と茶畑に囲まれた、のどかな農村地帯でした。その後、区画整理等が行われ、これまであった水田は宅地へと変貌し令和3年4月1日現在の9自治区における外国人を含む世帯数は2,869戸(一般住宅46.7%,集合住宅53.3%)、人口6,586人の地区へと発展しました。

 地区の南側には、陣場峠の古戦場があり掛川市内を一望することができ、遠く富士山や南アルプスの一角、火防の秋葉山や北遠の名峰竜頭山を望むことができる風光明媚な地区であります。地区内には、静岡県立掛川工業高等学校や掛川税務署等の公共施設がありますが、平成27年春には、旧掛川市立総合病院の跡地約8ヘクタールに、医療・介護・福祉・保健・教育の各施設が希望の丘と命名しオープンしました。一つのエリアに、こうした多様な施設がまとまり、事業展開が図られるのは、全国的にも初の試みであり注目され期待されています。

 

 

 南郷地区の歴史は、南郷歴史クラブ編纂による郷土誌「南郷」に詳述されていますが、南郷村の名称が初めて歴史に登場するのは、明治21年に町村制が公布され、県が告示した時とされています。また、同誌の巻頭で「ここを郷土とする人達の生活も、世相の変化と同様に変わったが、心の中には祖先の営みが刻み込まれている。その沿革と歴史が、そこに住む人と結びついて郷土の温かみとなり深みとなって、さらに郷土への愛情も生まれ育まれる」とあり、その精神は受け継がれ平成24年春に新設された南郷地域生涯学習センターを拠点として、さまざまな活動が活発に展開されています。

 南郷地区の歴史を語るとき、忘れてはならない郷土の偉人がいます。それは、静岡県議会議員を2期、衆議院議員を3期歴任し、東海道本線の掛川への誘致や南郷尋常小学校を設立した河井重蔵翁と、その御子息である宮内省の侍従次長や参議院議長を務めた河井弥八氏であります。河井弥八氏の足跡は、同氏の邸宅跡に建てられた南郷地域生涯学習センターの敷地内に、同氏のお蔵を改造した河井弥八記念館として保存、展示されています。また、旧河井邸離れは耐震化工事を経て、令和3年10月に「弥八庵」として開所しました。

 南郷地区まちづくり協議会は、平成25年4月に掛川市自治基本条例が施行され、協働のまちづくりのスタートに合わせ、掛川市から指定された三つのモデル地区の一つとして、平成27年2月14日に設立しました。

 南郷地区では、これまで区長会や地区福祉協議会などの組織を中心に様々な活動が行われてきましたが、これからは地域でできることは地域のことをいちばん良く知っている地域の人が、様々な組織・団体・企業等と協働して、地区のまちづくりを進めます。

 ここに、地区の将来を見据え、地域の課題を把握して、様々な対策を講じ、区民が望むまちづくりを進めるため、南郷地区まちづくり計画を策定しました。

まちづくりの理念

まちづくりの理念

 南郷地区まちづくり協議会が進めるまちづくりに向けて、次の理念を設定しました。

 

温もりのあるまち

 核家族化の進展が少子高齢化に拍車を掛け、他人を思いやるこころが希薄化しています。人は、一人では生きていけません。物は豊かでなくても、話す場があり話す人がいれば、日々満ち足りた生活を送ることができます。人の幸せとは何か。それは人々が健康でお互いを思いやり、役立ち合い支え合って、自らの存在を感じながら生きることではないでしょうか。自分が幸せでありたいと願えば、他人も幸せでなければなりません。そのために尽くすことが、そのまま自分の幸せにつながるからです。

 協議会では、住民が幸せを感じ、住んでいて良かったと思える地域を目指して、住民相互の絆を深め、住民一人ひとりの力が活きる様々な事業を進めていきます。

 

減災力のあるまち

 南郷地区の宅地は、約6割強が軟弱地盤です。科学的見地から、震度7クラスの東海・東南海・南海地震の起こる確率は限りなく高く、尊い人命を守る上からも大地震への減災対策が必要です。また、安全で安心した生活を送るためには、交通事故を起こさない・交通事故に遭わないための取り組みや、防犯意識の向上も図らなければなりません。人は、安全・安心な地域環境があって、はじめて幸せを実感することができます。協議会では、安全・安心なまちづくりを最優先に考え、様々な事業を進めていきます。

 

美しさのあるまち

 私たちは、日常のさりげない風景の中にある、一輪の花に感動を覚えます。美しい景観は、人のこころにやすらぎを与え、慈しみのこころを育みます。それは、大自然にかぎらず、人工的な景観であっても同様です。協議会では、住民の全てが思いを一つにし、美しい景観の保全と環境の改善・維持・管理を進めていきます。

 

ビジョン (目標・将来像)

 南郷地区まちづくり協議会が進めるまちづくりに向けて、次のビジョンを設定しました。

 

《地区ビジョン》

〜住んでいることに幸せを感じられる南郷地区〜

 地域コミュニティが求める地域の姿、それは住民一人ひとりが、豊かで充実した暮らしを営み、南郷に住んでいて良かったと思われるようなまちづくりを進めること

です。南郷地区の風土や歴史・文化が育んだ人々の暮らしを見つめ直し、新たな視点でまちづくりを考えていきます。

 

《部会ビジョン》

 私たちは、地区ビジョンを達成するために、分野別の8つの各部会がそれぞれの部会ビジョンを策定してまちづくり計画を立て、具体的な事業を推進していきます。

 

絆と生きがいづくりのまち南郷

 私たちは、日々楽しく有意義な生活をおくるためには、生きがいを持って周りの人と支え合っていかなければなりません。そのためには、強い絆が必要です。様々な場と機会をとらえ、絆づくりを進めていきます。

 

あいさつと笑顔が溢れるまち南郷

 住んでいることに幸せを感じる時、それは、人情の温かさに触れ、人と共に自らも活かし活かされていると感じる時ではないでしょうか。一日のはじまり、それは元気で明るいあいさつから始まります。明るいあいさつと、笑頻があふれるまち、なんとなく楽しいと思いませんか。これから、皆で明るく楽しいまちをつくり上げていきます。

 

 

 

健康長寿で役立ち合い支え合うまち南郷

 人間にとって健康は、全ての源です。人の高齢化は、避けられませんが、それぞれのライフステージで、お互いが役立ち合い支え合うことで、生きがいも生まれ、希望も生まれます。高齢化が進む社会、それは枇代を越えて支え合う必要があります。私たちは、そのためのまちづくりを進めていきます。

 

 

学び高め合い伝え合うまち南郷

 まちづくりは、人づくりでもあります。地域の歴史や文化は、ひもとき学んで次世代に引き継ぐ責務があります。郷士を愛する子どもたちを、地域で育んでいくことが必要です。人生の豊かな経験と、豊富な知識・洞察力を持った大人たちの出番です。南郷地区の明るい未来につづくまちづくりを、みんなでつくり上げていきます。

 

安全・安心で住みよいまち南郷

 安全で安心な生活空間が保たれてこそ、住みよいまちづくりが実現できます。犯罪を未然に防ぐ取り組みと、被害を最小限に抑える減災への取り組みは、南郷地区の最大の課題です。災害から尊い命を守るためには、災害が起こってからの取り組みよりも、災害が起る前の減災への取り組みが、より効果があります。向こう三軒両隣の強い絆づくりと、家屋の耐震化・家具の固定化等、減災への取り組みを進めていきます。

 

無事故・無違反で明るいまち南郷

 交通安全は、全ての人の願いです。交通事故に遭わない、起さないための取り組みを進め、明るく住みよい南郷地区をつくり上げていきます。

 

美しい環境の安らぎのあるまち南郷

 思いやりとやさしいこころは、美しい環境の中で育まれます。

住民の知恵と工夫で、安らぎのあるまちをつくり上げていきます。

 

生涯学習で人生を豊かにするまち南郷

 私たちは、健康長寿で生きがいを持ち、充実した暮しができるように一生涯学び続けます。そして、学びによって自己を高めた区民は、自分の住む地域を農かにするために、学んだことを生かしていきます。

計画の実現に向けて

 この地屁まちづくり計画は、多くの地域住民の意見や組織・団体の参画を得て、まちづくりを進める協議会自らのルールとして策定しました。計画の実現に向けては、さらなる住民の皆様の参画と協力を得て、南郷地区のまちづくりビジョン達成のため、遅くとも着実な活動を進めることにより、次世代に引き継いでいきます